D級冒険者の本棚

夢中になった異世界小説を本棚にしまっていきます。YouTubeにもハマりました。面白かったことをまとめて、発信に挑戦したいと思います。

9冊目「育成スキルはもういらないと勇者パーティを解雇されたので、退職金がわりにもらった【領地】を強くしてみる」

おはようございます。

9冊目は黒おーじ先生の「育成スキルはもういらないと勇者パーティを解雇されたので、退職金がわりにもらった【領地】を強くしてみる」です。
最近あまり見かけなくなりましたけど、一時期むちゃくちゃ流行った追放系の初期辺りの小説です。あの時期、本当このジャンルばっかりだったなあ。最後の方は追放の理由が「おっさんだから」「女だから」とか、雑になってましたね。

育成スキルはもういらないと勇者パーティを解雇されたので、退職金がわりにもらった【領地】を強くしてみる (GAノベル)育成スキルはもういらないと勇者パーティを解雇されたので、退職金がわりにもらった【領地】を強くしてみる 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)

 

【育成】に特化した俺(27歳)のスキルは、あるていど強くなった勇者パーティにはもう不要なようだった。
初期のころはパーティの中心だった俺も、とうとう勇者から解雇を言い渡される。
ただし、「これまでパーティに多大なる貢献をしてきた」ということで、退職金がわりに小さな【領地】をゆずり受けることになった。
冒険の第一線を離れる寂しさを胸に領地へ向かう俺だったが、じっさいに7つの村と2500人あまりの領民たちを見てふと思った。俺がコイツら育成したら、魔王とか倒せるような強い領地にならねーかな?……と。

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この主人公(エイガ)って、いわゆる『お助けパラディン』『ジェイガンポジション』ってやつですね。知ってる人は同士(笑)。
知らない人に説明しますと、『お助けパラディン』とは最初から上級職で登場するなど、初期ステータスは他ユニットと一線を画していて、序盤では大活躍するのですが、成長率が悪くて、大器晩成のユニットにあっという間に抜かれ、万年馬車要員になってしまう、という悲しいキャラクターのことです。

エイガの【育成】スキルは凄くて、本人が何に向いているのか一目でわかってしまう。勇者のパーティーを見出して、育てたのも全てエイガの功績なんです。エイガはパーティーから解雇された後、【領地】をパーティーに見立てて、育成をはじめます。

部下が何に向いているのかを見抜き、本人の事情・状況を加味して、適切な部署へ配置し、また組み合わせにも配慮して。極めつけは、【憑依】のスキルで体に乗り移って、『やってみせ、言って聞かせて、させてみて……』を実践できる。
育成者としてエイガは本当に有能すぎる。私もこんな上司の下で働きたいです。

単なる育成の話に留まらず、エイガの葛藤、恋の話も色んな要素がギュッと詰まった読み応えのある小説です。
パーティ追放系のジャンルをいっぱい読みましたけど、この小説が一番好きです。