D級冒険者の本棚

夢中になった異世界小説を本棚にしまっていきます。YouTubeにもハマりました。面白かったことをまとめて、発信に挑戦したいと思います。

⑩冊目「乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル」

おはようございます。

今日紹介する小説は、春の日びより先生の「乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル」です。月曜日とは「乙女ゲーム」つながりですが、この小説、乙女ゲームの原型を留めていません。(笑)小説のジャンルとしては、乙女ゲームの皮を被った英雄譚ですね。月曜日に紹介した「破滅フラグ~」から8年も経つと、こんなに進化するんですね。

乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル【電子書籍限定書き下ろしSS付き】乙女ゲームのヒロインで最強サバイバル@COMIC 第1巻 (コロナ・コミックス)

 ――これは乙女ゲームというシナリオを歪ませる物語です――
 孤児の少女アーリシアは、自分の身体を奪って“ヒロイン”に成り代わろうとする女に襲われ、その時に得た断片的な知識から、この世界が『剣と魔法の世界』の『乙女ゲーム』の舞台であることを知る。
得られた知識で真実を知った幼いアーリシアは、乙女ゲームを『くだらない』と切り捨て、“ヒロイン”の運命から逃れるために孤児院を逃げ出した。
自分の命を狙う悪役令嬢。現れる偽のヒロイン。アーリシアは生き抜くために得られた断片的な知識を基に自己を鍛え上げ、盗賊ギルドや暗殺者ギルドからも恐れられる『最強の暗殺者』へと成長していく。
※Q:チートはありますか?
※A:主人公にチートはありません。ある意味知識チートとも言えますが、一般的な戦闘能力を駆使して戦います。戦闘に手段は問いません。
※Q:恋愛要素はありますか?
※A:多少の恋愛要素はございます。攻略対象と関わることもありますが、相手は彼らとは限りません。
※Q:サバイバルでほのぼの要素はありますか?
※A:人跡未踏の地を開拓して生活向上のようなものではなく、生き残りの意味でのサバイバルです。かなり殺伐としています。
※注:主人公の倫理観はかなり薄めです。

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先日読み終わりましたが、凄い小説でした。

・ヒロイン(ピンク色の髪の毛の場合が多い)
・悪役令嬢(ルート別に数人の場合もある)
・攻略対象(王子、騎士団長の息子、宰相の息子、神官系、王弟などなど)
・婚約破棄の断罪シーン

以上が乙女ゲームの基本というか、お作法で、これをいかにアレンジするかが面白さに繋がってきます。この小説も一応、このお作法にそって書かれています。
しかし、ヒロインも悪役令嬢も攻略対象達も(騎士団長と宰相の息子以外)まともな人がいません。全員頭のネジが飛んでます。でも、そこが面白い。

大きく第1部と第2部に分かれていて、第1部は「なろう式スタートダッシュ」の期間なのですが、作者も書いていますが、主人公にチートはありません。というか主人公が強い意志をもってチートを拒否し、自分の力で切り開こうとします。

登場人物がみんなまともじゃないので、伏線・思惑もいっぱい出てきます。それを第2部で見事に纏めきっています、春の日びより先生凄い。